また会いたい人の基準が分からない

よく知らない人とデートした感想。
背景としては、習い事の教室の飲み会で知り合った人にLINEを聞かれたので交換し、飲みに誘われたので行きますと言った。お店予約したよ、というLINEの食べログのリンクを見たら銀座のお洒落な感じの店で、私は銀座のお洒落な感じの店に行った経験がなかったのでビビって慌ててワンピースとか買った。
それまで1回しか会ったことなかったから私はその人の顔をあまり覚えていなくて、待ち合わせでちゃんと会えるか少し不安だったけど、なんとか会うことができた。店の雰囲気から会話内容から解散の流れに至るまで、東京カレンダーに載ってるデートの手本みたいだなという印象を受けた。ラストオーダーを過ぎて一通り食事を終えたタイミングで、その人がトイレに行くと言って席を外した。これはもしや私が席を外したタイミングで会計を済ませたくて、私がトイレに行くよう暗に促しているのかもしれない、という可能性に思い至ったので、その人が戻り次第入れ替わりでトイレに行ってみた。私がトイレから戻ると、普通に会話を再開して5~10分くらい喋った後で、そろそろお会計する?と聞かれた。先程の私の深読みは考えすぎだったのかもなと思った。ただ、すぐに店員さんを呼びにくい席だったので、私がトイレに行っている間に会計を済ませるつもりだったけど近くに店員さんが居なくて断念たという可能性もあり一概には言えない。もしくは、会計してるところを相手に見せたい派というか、明示的におごりますよと言いたい派なのかもしれない。
解散してしばらくするとまた相手の顔がよく思い出せなくなった。整った顔立ちであまり特徴がなかったのと、職場の知り合いに似た顔の人がいて混同してしまったのもあるが、顔も思い出せないくらいに私がその人に興味が無いんだろうと思った。
なぜ私はあの人に興味を持てなかったんだろう、と考えてみた。初対面でもすぐ顔を覚えて、是非また会いたいと感じる人はいるので、会った回数が少ないことは問題ではないはずだ。会話は当たり障りなく、自慢ばかり聞かされることも愚痴を聞かされることもなく私の趣味や仕事や恋愛の話などを広く浅く聞いてくれ、これと言って嫌なところはなかった。だから、 今後また会うのが嫌だとは思わないけど、かといって積極的にまた会いたいという感情もわかない。なぜだろうと思って、これまで会った「また会いたい」カテゴリの人と「別に会わなくてもいい」カテゴリの人を思い浮かべて比べてみた。
考えてみると、その人は私と会っている間に一度も私の名前を口に出して言ってくれなかったことに気づいた。苗字でも下の名前でもあだ名でも、名前を呼んでもらえる、覚えられているというのは嬉しいものだ。その人は私に質問するときも、私の名前はおろか「あなた」「きみ」等の二人称すらも省略していたように記憶している。会話しながら、この人は今目の前にいるのが私でもいいのかもしれないけど、それは私でなくても誰でもいいのだろうな、という印象を受けたのは、そこに起因しているのではないかと思った。
というわけで、好意を表明したい人には積極的に名前を呼びかけるようにしようと思った。