死にたい理由が分からない

ここ数日、いやここ半月くらいだったろうか、とにかく最近とみに死にたい。
そもそも私は常々ちょっと死にたい気持ちを抱きながら生活している。具体的に言えば、少なくとも一日一回は、ああ死にたいなあ、と思う瞬間がある。とはいえ、普段は死にたみに長時間囚われることはなく、しばらく思考を巡らすうちに忘れてしまう(そして、また忘れた頃にふと、死にたいなあ、と思う)。私一人だけが死にたみに耐えているわけでもないだろうから、世間の人はみな死にたいのに頑張って生きていて偉いなあ、とも思っている。
しかし、このところ感じる死にたみはどうも持続性があり、なかなか改善しない。憂鬱のお供に最適な鬼束ちひろさんのアルバムを聴いてみても、ここ一年くらい私の心の癒やしポジションを占有している竹内結子さんの可愛いYouTube動画を観てみても、とりあえず散歩に出てみても、なかなかどうして死にたい。音楽を聴いたり動画を観たりしている最中は素直にコンテンツを楽しめるのだが、終わってしまうとまた先程の死にたみが再燃するのだ。今日は特に死にたみが強く、こうしてブログを書くまでに至ったので、その理由を思いつくままに考えてみる。

Q.なぜ私は死にたいのか?
1.寒いから
2.今日一日何も食べていないから(正確には、アイスとヨーグルトとプリンしか食べていない)
3.仕事を辞めたいけど辞めたあとどうするか決められないから
4.正月に帰省した時に祖父の見舞いに行っても大した言葉をかけられなかったから
5.そもそも幼少より人見知り傾向が強く祖父母や親とのコミュニケーションが未だにうまく出来ないから
6.パートナーがいないから
7.やりたいことがないから

1はかなり有力だ。寒いときって基本的に死にたい。ただ、部屋で暖房を効かせて布団にくるまっているときは死にたみが無くなるのかと問われれば、決してそんなことはない。その点を考慮すると、寒いからというよりは冬だからなのかもしれない。
2もかなり有力だ。実は今この文章を書きながら、「黄金の華」でジャンボ餃子6個を注文して食べている(ちなみに餃子を選んだ理由は、さっきYouTubeで観たドラマ番宣インスタライブの動画で竹内結子さんが餃子を食べた話をしていたからだ)。温かい餃子を食べ終えると死にたみがかなり薄れてしまったのでこの文章を書き続けるモチベーションが下がってきたのだが、せっかくなのでもう少し書く。飯を食ったら死にたみが消えるのだとしたら、1日三食欠かさず食っていれば死にたみを感じない人生が送れるのではという気もする。が、1日三食欠かさず食っていた実家暮らしの高校時代までに死にたみを感じていなかったかというと決してそんなことはない。
3はまあありきたりだが、仕事が嫌だから辞めたいけど辞めたら次の仕事とか暮らし方とかいろいろ考えないといけない気がして面倒臭いからいっそのこと死にたい、というやつだ。これは冷静に考えれば錯覚だと分かるけど、そういう思考回路に陥ってしまう気持ちもよく分かる。小学校とか家庭環境とかと違って仕事くらい自分の意志で辞められるんだから深く考えずに辞めてしまえばいいと思うんだけど、でも死にたいよね分かる。
4はこの前帰省したからこの世の無常観を憂えているだけで単純といえば単純。
5は、4の出来事を経て劣等感を強く感じたので死にたくなったのである。ところで最近、障害者の人権を訴える系の文脈で、「役に立たない人間でも生きていていい」という世の中になったらいい、という意見をよく見かける。これは健常者の私でも社会の役に立たないままで生きていてもいいということなのかな、そうだったらいいな、でもきっとだめだろうな、親には「働かざる者食うべからず」とか言って怒られるし……。
6は、死にたい気持ちを分かち合えるパートナーがいれば死にたみが無くなるかもしれないなあという根拠のない淡い期待である。しかし私の場合、パートナーがいないから死にたい、というよりは、死にたいときに死ににくくなるといけないからパートナーを作らないようにしている、と言ったほうがたぶん正しい。
7は3とも通じてくるのだが、生きていても特にやりたいことがないから死んでしまいたいと思う。今ある趣味(好きな女優の鑑賞、絵を描くこと、歌うこと、読書など)は確かにやりたいことではあるのだが、最近では「寝たい」という欲求に勝てないし、そのために生き続けたいと思うほどではなくなってしまった。歳を取るごとに好奇心は減り人生経験は増えるので、どんどんやりたいことがなくなっていくのも当然のように思う。やったことがないこと(例えば結婚とか子育てとか現職以外の仕事とか海外移住とかUターンとか)は、どれも大変そうだなあと思ってしまい、積極的にやってみようと思えない。

こうして書いていると、ここ最近の死にたみの根幹は7にあるように思う。やりたいことがないから努力してまで今の環境を変えようとは思えないけど、それでも今の会社は嫌だから辞めたい。そもそも今の会社に入った理由は、就活のときに面接やエントリーシートで自分を飾り立てたり、思ってもいない志望動機を述べることができなかったために、実質面接なしで入れた今の会社しか受からなかったからだ。努力から逃げ続けて流れ着いた先なので楽っちゃあ楽なのだけれど、やりがいも楽しさもなく特に評価もされない仕事ばかりしていれば死にたくもなる。
仕事は収入を得る手段と割り切って、趣味に生きがいを見出すことも考えてみたが、だいたい何をするにも「寝たい」に勝てない。そんな中でも今もやり続けている数少ない活動である女優鑑賞と歌うことは、趣味というよりもむしろ、生きていくことの苦痛から逃れるために不可欠な麻薬に近い。
とかく生きていくのは苦しいので早く死んでしまいたい。でも、切実に今すぐに死にたいという気持ちは感じなくなってきたような気がするので今日はこのへんで筆を置くことにする。